旅の便り
‥‥出合いはいつもここから‥‥

私の目に写る風景達を日記に

 

「1月21日:旧暦の大晦日」

 

1月21日、午後5時過ぎに那覇空港に到着。

曇りで、風がわりと強く吹いている。気温は14〜5度。沖縄にしては低い気温だ が、それでも福井に比べたら相当温かい。とりあえずホッとした。

去年開通したばかりの「ゆいレール」に乗って、久茂地まで行く。向かうは那覇のシ ョッピングビル、パレット久茂地。どうしても本屋に行きたかったのだ。本当はこの 日に久高に渡るのがベストだったのだが、飛行機が遅い便だったため久高行きの船に 間に合わなかった。よって、今日は与那原に住む知子という友達の家に泊まることに なっていた。久々に会うので語り明かしたいのは山々だったが、知子は作業療法士を 目指す超多忙な学生さん。明日大事なテストがあるとかで、せっぱ詰まっていたから 遅めにおじゃまして早めに寝た方が良さそうだ。 本屋へ行った後は沖縄そばでも食 べに行って、それからバスに乗ろう。そんなことを考えながら車窓から那覇の町並み を眺めていた。

久茂地駅に着いたとき、ホームで親子連れが「今日寒いね」と言い合っていた。なるほど、コレが沖縄の冬なんだ・・。ジャケットの下に着ていたニットを空港で脱 いでいた私は何となく笑ってしまった。流石に寒いとは感じられない。

さて、本屋に着いた。やっぱり、内地の本屋で売っているものとは明らかに違う品揃 え。ワタシは沖縄の本屋に何時間居ても飽きない。立ち止まるのは「雑誌」のコーナ ーと「郷土の文化」のコーナーである。

民謡の解説書、御獄の写真集、祭り神事の写真、及び解説集、かれこれ1時間半立ち 読みした後2冊買うことにしてレジに並んでいたら、レジの横に沖縄手帳が積まれて いた。今年も出ているな。と思いながら手に取って見てみた。この手帳には旧暦はも ちろん、潮の満ち引きや離島への交通アクセス、観光施設の連絡先などが細かく書か れている。中でもコレは新情報!と嬉しかったのは沖縄の魚、危険生物が写真付きで 紹介されていた。沖縄に旅する者としては超便利なこの手帳! 思わず買ってしまった。

那覇バスターミナルの近くの店でそばを食べる。店のおばさんに、一人で来たの?と か、どこに行くの?と聴かれたので「久高島に旧正月の行事を見に行くんです」と言ったら「あの島、まだ旧正月残っているんだね〜。」とちょっと意外そうに言っていた。沖縄に行く前、旧正月が残っている地域はどんどん少なくなってきているって聴いて いたけれど、こうやって、小さな町や村の文化がどんどん一つの大きな流れに消えて いくのかなって思ったら何となく哀しかった。

そばを食べ終え、「これ、年越しそばですね」 と言うと 店のおばさんは「沖縄す ばで上等よ〜」と言っていた。 沖縄そばは「そば」だけど、原材料がそば粉じゃなくて小麦粉。旧暦は沖縄風年越し。

お茶を飲みながら明日のことを考えていた。何やら適当な計画で沖縄にやって来たは いいが、明日の宿を今だ決めていない。 

那覇からバスに乗り、与那原の知子の家に着いた。 

お土産のきんつばと抹茶を振る舞い、かなり喜ばれた。沖縄では手に入りにくいシロ モノだからね・・。

流石に明日の予定を話すと「民宿にでんわしておいたら?」と言われたが私は去年の実例から、久高に限り電話するより出向いた方が泊めてくれる率が高いこ とを推定していた。

知子は、この前できた私のCDを買ってくれた。CDの完成を「おめでとう」と一 り喜んでくれた後「サインはいらないからここになんか絵書いて」とひねくれたことを言われたので表紙の裏をめいいっぱい落書きで埋め尽くした。 旧正月の初日の出を書き込んだ。

その後、知子は余裕のない表情でテスト勉強をし始め、私は「勉強ガンバレ〜」と遠 巻きにエールを送りながら買ってきた本を早速読み始めた。

その夜、私の方が早く寝ていた。明日、一番の船で久高に発つ。

 

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