8月24日 〜沖縄へ2〜 船の風景
朝、8時半頃目が覚める。
甲板に出ると晴れた空に朝日が眩しかった。 湿った潮風が心地いい。一人なのを確
認すると思わずうたいたくなってしまい口ずさむ。すぐに人が来て、何となく気恥ず
かしい。。。
船内に戻って窓際の籐椅子に腰掛けながら朝食のパンを食べたりお茶を飲んだりして
ウォークマンを聴いていた。聞いているのは自分のウタが入っているMD。
この旅が終わったらすぐにレコーディングなのだ。結構真剣に「粗捜し」をする。・
・辛い。下手すぎる・・・
途方に暮れて海を見つめる。見つめているうちに意識が遠くなる。なぜだろう、私の
声は(自分で聞いていても)眠くなるのだ。いいんだか悪いんだか、とにかく眠くな
る。.。○。.○。◎.・・頭がコックリきたところで、思い切って(!?)2度寝
することにした。ああ、船旅故のこの贅沢な時間の使い方!
船室の揺れはゆりかごのようで眠るのには最適!(しかし、逆を言えば窓もないので
寝ていないと、すぐに気分が悪くなってしまうので船室に戻ったらさっさと横になる
のがベスト。)そして私は結局、12時になるまで寝てしまったのだった。
「イルカが飛んでるよ!」という外からの声で起きた。
寝起きの私は好奇心だけで同じ船室にいた女の子達と甲板へ繰り出す。しばらく見て
いると船を追いかけるようにして群のイルカが仲良く飛んだ。沢山いた。
可愛かっ
た。 顔が見えたわけではないけど笑っているような気がした。野生のイルカそれから船内にもどり「ハガキを書こう」と思い立つ。今回は着るものを極力減らし
て24色入りの色鉛筆はちゃんと持ってきたのである。実は使いたくてうウズウズし
ていたのだ。またも、窓際の籐椅子に腰掛け、3人の友達にハガキを書いた。このハ
ガキは那覇で出すことになりそうだ。うん、今の心境が結構素直に書けたな〜と自己
満足。後ろからのぞき込んでいた知らないオッちゃんに「おお、うまいな〜」と誉め
られた(照)
そんなことをしているうちに、だんだん日が傾き出す。
気が付けば、みんなそれぞれ同胞を見つけて楽しそうにしている。今回私は「一人の時間」が心地よくて、自分からはほとんど人に話しかけていないこ
とに気が付く。
そういえば初めての船旅は3年前。台風で、船が福岡に停泊し、到着が予定よりも丸
1日遅れた。何もない船の上でできることは限られている。 夜は、知らない者同士が輪になり
「こんな日は楽しく飲みましょう〜♪」 と、それはそれなりに、とても楽しかっ
た。波で船がゆれるたび、甲板でみんなが転がっていたのも、今となれば懐かしい思
い出。
3年経って落ち着いたのか、そのころの旅の感じとはまた別のものを求めている自分
に気が付く。「久高島に行きたい」と思った時から、もう既に旅は始まっていたのかもしれない。
黄昏時、甲板に出た。夕日を見に結構人が集まっている。太陽が金色からオレンジになりだんだんと赤みを帯びてゆく。夕日はしっかりと海に沈んだ。ここにいる人達みんなそれぞれが感動していた瞬間。ことばがなくても伝わった。美しい時間だった。
夜、風は強く吹いてはいたが、星がたくさん出ていた。この夜、どうしても唄いたく
なって三線を持って甲板に出た。甲板から遠くの空を見ると稲妻が光っている。海の上、闇の中に吸い込まれそうで、自分の体を思わず確かめる。
真上を見れば天の川。
満点の星。
うたっていたら、知らないうちに人が集まってきた。
船の一番暗いところでみんなで星を見たりして思いがけず、何だか 楽しい夜だった。
「明日は朝日を見ようね〜」と約束して眠りについた。
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